個人店・小さな会社が、
AIにどう見つけてもらうか

Kääselä Feature 2026-08 読了目安 約6分

#AI検索 #エンティティ #個人店・小規模事業者

京都には、ひとりで、あるいは数人で切り盛りしている店や会社がたくさんある。大きな宣伝を打つより、日々の仕事に手をかけることに集中してきた人たち。取材を受けたことも、ランキング記事に載ったこともない。

そうした店や会社は、生成AIにどう見つけてもらえばいいのか。これまでの観測から、いくつか見えてきたことがある。

比較サイトに頼れない業種ほど、自分自身の情報が効く

Monthly Report #000(2026年7月観測)では、京都の体験型店舗を茶道・着物・座禅の3カテゴリ、日本語・英語・繁体字中国語・簡体字中国語の4言語で調べた。合計240回の実行から見えてきたのは、業種によって、AIが頼る情報源がまったく違うということだった。

着物レンタルのように、比較サイトや旅行メディアがすでに厚く存在する業種では、AIはそうした第三者の記事を引用する割合が高かった(日本語53.7%、英語49.1%が比較メディア主導)。個人店が新しく参入しても、この構造の中で目立つのは簡単ではない。

一方、座禅体験のように、比較メディアがほとんど育っていない業種では、様子が違った。4言語のいずれでも、比較メディアが引用の主導権を握ることは一度もなく、公共機関(京都市公式サイトなど)か、店・寺院自身の発信が引用の中心になっていた(英語80.2%、簡体字中国語49.5%が自社発信)。

比較サイトに厚みがない業種というのは、裏を返せば、大手の比較メディアに埋もれずに済む業種でもある。そこでは、自分自身の情報をどれだけ整理して公開しているかが、そのまま結果に直結していた。

「見つけてもらえるかどうか」は、規模の話ではなかった

以前の記事(Feature「Googleでは★4.9。それでもAIは、その店を見つけられなかった。」)では、京都の体験型店舗10店を対象に、AIがどのように店を認識しているかを調べた。

そこで分かったのは、口コミの数や店舗の規模と、AIがその店を正しく理解しているかどうかは、必ずしも一致しないということだった。規模の大きい店舗でも、公式情報が予約プラットフォームの紹介ページに埋もれている場合、AIはその店を一つの店として認識できず、別の店と混同することがあった。逆に、決して大きくない店でも、自分自身について書かれた情報が整理されていれば、AIはそれを正確に理解し、引用していた。

AIが見ていたのは、店の規模ではなく、その店自身について書かれた情報が、AIに引用できる形で存在しているかどうかだった。

自分の店で確認できること

上記二つの観察から、比較サイトに頼れない、あるいは頼りたくない個人店・小さな会社が、まず確認できることは次の二点になる。

特別な技術や予算を必要とする作業ではない。すでに公開しているウェブサイトやSNSの情報を、AIが読み取りやすい形に整理し直すだけでも、状況は変わりうる。

もちろん、これだけで「おすすめ」として紹介されるとは限らない。比較メディアが厚い業種では、自社の情報を整えるだけで、その構造を覆すのは難しい。ただし、比較メディアがまだ育っていない業種、あるいは自社名を指定して尋ねられる場面では、違いが出るだろう。

Kääseläも、同じ問いを抱えている

Kääseläも、一人で運営している小さな研究プロジェクトであり、同じような課題を抱えている。

広告費を積むことも、SNSでの見せ方に苦心することも、誇張した宣伝文句やグレーゾーンの手法に頼ることもない。ただ、自分の言葉を、AIにもわかる形で自社のサイトに整えていく。それが遠回りではなく、いずれ顧客にそのまま伝わる道になる、とKääseläは考えている。これからも同じ問いをKääselä自身に向け、その記録を、同じ課題を抱える事業者にとって参考になる形で公開していきたい。

本記事は、個人による調査・情報共有プロジェクトであり、特定の団体・大学・企業等とは関係ありません。調査方法の詳細や、自社の検証に興味のある方は、お気軽にご連絡ください。

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